線香は、古代文明の宗教儀礼とともに発展した香文化の一形態であり、その起源は紀元前3000年頃のエジプトやメソポタミアにさかのぼります。エジプトでは乳香や没薬が神への供物やミイラ作りに用いられ、香煙が神と人をつなぐ媒体と考えられていました 。
その後、香の使用はインドや中国へ広がり、インドではヴェーダ儀礼で香木や薬草が焚かれ、中国では道教・仏教儀式に不可欠な要素として体系化されました。
現在の「棒状の線香」に近い形が成立したのは5世紀頃のインドと中国で、香料粉末を芯に固着させて成形する技術が発達したことによります。インドでは白檀・沈香・スパイスを用いた「アガルバッティ」が作られ、中国では木粉と香料を混ぜて棒状にする独自技法が確立しました。
その後、線香は日本・朝鮮半島・東南アジアへ伝播し、日本では仏教儀礼や香道の発展とともに独自の文化を形成しました。今日では宗教儀式だけでなく、瞑想・リラクゼーション・芳香による気分調整など、多様な用途で世界的に親しまれています。
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