牡丹蘂ふかく分出る蜂の名残哉

【超現代語訳】

現代語訳松尾芭蕉野ざらし紀行 門人の杜國に、旅の成果を報告。
「遊女のお蝶にもらった土産を手に取れば、昨日のことが嘘のようじゃ。あんなに悶々としたというのに、今じゃ色気も何も白けてしもた。」
 さらに桐葉子のところで江戸に下る準備をしながら、
「もぐりこんだ花の中から這い出して来た蜂のようなもんよの」
とつぶやいた。
訳:Rockets

全文超現代語訳「超解芭蕉野ざらし紀行」

【野ざらし紀行原文】

杜國におくる
 白げしにはねもぐ蝶の形見哉
ニたび桐葉子がもとに有て、今や東に下らんとするに、
 牡丹蘂ふかく分出る蜂の名残哉

⇒ 野ざらし紀行の日程表と句

【解説】

旅の成果を表した部分であろう。無我の境地に至ることを大目的としたが、それも、度し難い欲情を抱えていたからだろう。ここに、本来の旅の目的を見つけたい。

杜國
坪井杜国。名古屋の米問屋で、野ざらし紀行の途中で巻いた歌仙(冬の日)で頭角を現し、支考は「杜国は故翁の愛弟なる」と記すも、貞享2年に空米売買の罪で御領分追放となり、5年後に亡くなった。
桐葉子
門弟の林桐葉子。芭蕉の定宿の主人。
牡丹蘂ふかく分出る蜂の名残哉
「熱田皺筥物語」(扇川堂東藤1696年)に、「牡丹蘂分て這出る蜂の名残哉」。

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