霧しぐれ富士をみぬ日ぞ面白き

【超現代語訳】

現代語訳松尾芭蕉野ざらし紀行 箱根を越える日は雨まで降りやがって、視界が悪い。憂さ晴らしに言い放ってやったわい。
「霧雨に隠れた富士というのもええもんじゃのう。」
 一緒に旅をする千里は頼りになる奴じゃが、
「江戸深川の芭蕉は富士山に預けて行ってしまおう」
などと言いやがる。
訳:Rockets

全文超現代語訳「超解芭蕉野ざらし紀行」

【野ざらし紀行原文】

関こゆる日は雨降て、山皆雲にかくれたり。
 霧しぐれ富士をみぬ日ぞ面白き
何某ちりと云けるは、此たびみちのたすけとなりて、萬いたはり心をつくし侍る。常に莫逆の交ふかく、朋友信有哉此人。
 深川や芭蕉を富士に預行 ちり

⇒ 野ざらし紀行の日程表と句

【解説】

箱根に差しかかってもまだ、旅に馴染めない芭蕉。芭蕉の理想はあくまで西行であったが、ここに、西行になれない芭蕉の珍道中が始まる。それは、後世語られるような高尚な雰囲気をまとう芭蕉ではなく、まさに「人間芭蕉」である。


箱根の関。
何某ちり
門人の苗村千里。大和国葛下郡竹内村の人で、浅草に住んでいた。通称は粕屋甚四郎。芭蕉より4歳年下で、この時37歳。
莫逆の交
「荘子」に「四人相視て笑い心に逆らうこと莫し。遂に相与に友と為れり」。親しい間柄のことをいう。
朋友信有哉
「論語 学而第一」に「子夏曰 賢賢易色 事父母能竭其力 事君能致其身 與朋友交 言而有信 雖曰未學 吾必謂之學矣」。誠実な人物であることを強調している。

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