師匠とボクの俳句修行日記

俳句修行日記俳句と川柳
潜流にまかせて亀の家路かな

俳句修行日記タブーと写生について
鈍行の発車時刻やかたつむり

俳句修行日記AI の中心で、愛をさけぶ
庭に咲く薔薇一輪の片明り

俳句修行日記季語のはたらき
立ちのぼる業火あやなす地平線

俳句修行日記季重なりのこと
木下闇まつりばやしの遠ざかる

俳句修行日記切れとは何か
朝焼やさめて情火の消えぬまま

俳句修行日記掛詞から縁語へと
濡縁に栗花落の声や夜の底

俳句修行日記「軽み」と呼ばれる極意
うきくさや音もたてずに雨のふる

俳句修行日記運命をなぞる景色
とらわれの野性ほえるや夏の月

俳句修行日記五七五と言霊の正体
靴音を戻すしじまや祭りあと

俳句修行日記吟行の心得
顔あげて雨に咲くなり月見草

俳句修行日記不易流行考
ひかりへと火蛾のいのちの燃え立ちて

俳句修行日記俳句の面白み
夕波や灼けた石ころ砂にして

俳句修行日記俳句の奥義
もどさるるやみに聞くなり遠花火

俳句修行日記信念なきポエジー
大つぶの雨にかわるや蝉しぐれ

俳句修行日記写真俳句の視点
みうしなふ風の姿やねこじゃらし

俳句修行日記リズムと響き
浮舟や撫子なでしこの岸辺

俳句修行日記だから俳句を…
土砂降に案山子はなにも言わずして

俳句修行日記句会と絶対美
熱冷めてむくろ残暑に横たえて

俳句修行日記しおりのこと
月影や道化師去りし砂利の上

俳句修行日記季語を作った日
花ばたけ道ひとすじにみさきへと

俳句修行日記ジョークのかおり
秋風や明日より白きものなくに

俳句修行日記辞世を詠む
限りなき空や流るゝ星の墓

俳句修行日記千句万句を刻むこと
いわし雲過ぎゆくもののはやさかな

俳句修行日記日本語のかたち
寝待月窓下のひかり夢に過ぐ

俳句修行日記言いおおせて何かある
母うたふ墓地に柘榴の割れる頃

俳句修行日記動かざる世界
鳥渡るつなぎの鳩は帰らざる

俳句修行日記平凡のすすめ
蓑虫やははと笑へぬ鬼の性

俳句修行日記たるみ
あれ既望雲間さまよふ遅き夢

俳句修行日記7mmの本意
いちまつの青さ残して落葉かな

俳句修行日記細みに分け入る
からっぽの小瓶や冬のかげさして

俳句修行日記勉強の理由
炉火恋しむかしの歌を聞く夜は

俳句修行日記文体について
さすらひの群れ追うものや初時雨

俳句修行日記三段切れ
木葉舟寄せては返しまた寄せて

俳句修行日記実践万葉
湧きあがる影や炉に堕つ置手紙

俳句修行日記俳句と宗教
飾りなき樹にも降り積む今日の雪

俳句修行日記咆哮と囀り
転生の孤狼あばきし冬の月

俳句修行日記四季と季語
鐘撞くやなゐふる朝も雪の夜も

俳句修行日記自己発見のツールとして
野良犬に名を問ふ男の枯野道

俳句修行日記俳句と芸術
雪女あつきおもひに亡へり

俳句修行日記師匠の本意
匂ひさへ消して雪花のわすれ水

俳句修行日記俳句の道
もつれ髪わびすけちぎり添ゆるかも

俳句修行日記十七文字の宇宙
定まらぬ風の夜なり梅の里

俳句修行日記尽きることのない資源
古草や幾度踏まれて花の土

俳句修行日記暗闇
古傷のうづく夜なり猫の恋

俳句修行日記味わうもの
鳥雲にひとは黙して摩天楼

俳句修行日記師匠の喜怒哀楽
おもひでをうづめてさびし桜かげ

俳句修行日記師匠の苦しみ
しあわせのあぶらかだぶら花菜さく

俳句修行日記つぶやき
狂宴に過ぎてひとよの花かがり

俳句修行日記諷詠二箇条
よつば摘む嘘もやさしき春の野に

監修:Rockets